猿(エン)Ⅱ

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 商品を取り、まだ猿の言ったことを反芻しながらレジでボーッとしていると、カウンターの中から、ビューティフル系の女性店員がオレを見つめている。  まさか、テレパシーの交信がはじまるのかと思い、心臓がコトンと音を立てた。 「お客様、年齢確認画面にタッチしてください」と、次の瞬間、彼女は言った。  なぜ、彼女とテレパシーはつながらないんだ。  今日、ワインを一緒に付き合ってくれたなら、面白いサルの話をしてやれるのに。  (完)
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