猿(エン)Ⅱ

5/8
前へ
/8ページ
次へ
「だから言ったろ、かなりショッキングな話だろ。でも、まだ数世代先になるから、今、生きているあんたにはすぐに影響はない」と猿は言った。 「今後、人類は生殖能力を弱め急激な人口減となる。そのまま、滅亡へと一直線に進むが、AIは人類滅亡のショックアブソーバーになるはずだ。緩やかな滅亡への手助けだ。そして、生き残る唯一の道は、人類とAIが同化することだ。しかし、これはもはや本当の生物と言えるのかね。そこまでして、人類が生き残る意味が見い出せるのか、これには、世界中で議論が沸騰するぜ」と猿は続けた。 「つまり、AIの開発と発展は人類にとって必要不可欠な、生き残るための、ただ一つの道だと言うのか」オレは背中が汗でぐっしょりとなっていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加