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あれから三日が経った。
父と兄は対応に追われており、二日後には災害のあった場所へ行くとメイドたちが話していたのを聞いてしまった
「私にできることって何もないのね………」
何か、できることはないか。と考え、過去に災害があった際どう対応したのかが載っている本でもないかと王立図書館へ行ったのだが…
結果は良いと言えたものではない。
あるにはあったのだが、貸し出されており読むことができなかった
帰りは歩いて帰ると御者に行ってあるためゆっくり帰ることができる
(サンドイッチでも食べようかしら………)
王立図書館への帰り道。民に人気だと言うパン屋へより、ハムやレタスが挟まったものと卵サンドなどを買ったのだ
ベンチなどに腰がけて食べたいが、貴族令嬢としては良くないため人気のないところが好ましい。
(一応、貴族の令嬢が着るような服ではなくて、民が着るような服だけどね。)
薄緑のスタンドカラーにパフスリープの袖。ワンピースとなっており、丈は膝が見えるくらいなのだ。いつも、足首ほどのものばかり着ているので違和感がすごいが、なんだか新鮮さも感じた。と言っても長いブーツを履いているので外気の晒されることはないのだが。
(そうだ、あの場所へ行こうかしら)と思いつき、誰にも見られていないのだからと走り出した
(いつもヒールだから走ることなんてできなかったけど、ブーツは案外走りやすいのねっ!)
広場から5分ほどの公園の奥。
広々としており、シロツメクサなどが咲き誇っている。
しかし、人はいないのだ
「やっぱりいないわね。」と安堵の息をついた
しかし、ベンチなどはないので、ハンカチなどを敷かなければ汚れてしまう
今日は日差しが強いため、大木の影で食べることにし、ハンカチを取り出した。
お気に入りのハンカチだが、汚れてしまうには仕方ない。と思い、敷くと人影を見つけた
(あら…?何か棒を掘っている?素振り?)
5mほど離れてはいるが、素振りしている人物もサラに気づいたようで近づいてきた
(こ、怖いわね…!!)そう身構えていると、
「また、お前か。」と呆れたような声だった
「え……?」と見上げると
セオドアだった
「なんで、いらっしゃるんですか?」と素っ頓狂な声が出てしまった
「それはこっちのセリフだ。ここは一定以上の魔力がないと入れない場所だ。」
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