王弟の秘密を知ってしまったせいで脅されています。

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(まさか、こんな時期に起こるなんて…) 社交界シーズンは6〜9月。今は8月であるのだ 丁度小麦の収穫時期とかぶっている 土砂崩れなど土砂災害は秋が多く、夏は殆どないと言っても過言ではないのだ (新しい小麦が収穫されるから、備蓄は少なくなっている時期なのに………) この時期は備蓄されていた小麦を消費し、新しい小麦を備蓄している まだ小麦は収穫されておらず、しかし備蓄品は少ない状況である (この時期は食べ物が豊富ではあるけど…それにあのお兄様の様子ではかなり広い範囲が被害に遭ったに違いないわ…) 「料理長、何か手軽に食べられるもの………サンドイッチとかを作って欲しいのだけど…」 「わかりました。具はなんでもいいですか?」 「えぇ。大丈夫よ。」そう返し、メイドの1人にも声をかけた 「紅茶を用意して欲しいのだけど」 「わかりました。いつものでよろしいですか?」 「あ、お父様とお兄様にだから…ダージリンがいいかしら」 「かしこまりました。」とメイドは頭を下げ、用意しにいってくれた (なんだか、嫌な感じがするのよね……)首筋あたりが寒さもないのにゾワゾワとした不快な何かを感じた気がする 用意してもらった軽食や紅茶をワゴンに置き、運んでいく (私に大魔法使い様のように魔法が使えたらいいのに…) 御伽話の存在に憧れてしまうほど、何もできない自分が惨めでしょうがなかった (魔力があっても使えないなんて意味がないのに…) サラは生まれた時から魔力があったが、魔法も魔術も使うことができなかった。 かの大魔法使いは大きな火事が起きた際、瓦礫を一瞬で元の美しい建物に戻し、焼けてダメになった畑をも直し、収穫できるようにしたという伝説が残っている そう考えていると執務室へつき、ノックしようとするとーー 「どういうことだっ!」と父の怒鳴り声が聞こえた (どう、したのかしら‥) 「父上、これは酷すぎますっ!ーーーを差し出せば援助すると言っているような輩に託せません!」と兄も相当怒っているのか怒鳴っていた 生来から優しく虫も殺せぬような優しい兄をあれほど怒らせたものとはなんなのだろうか不思議に思った (引き返した方が………でも、紅茶も冷めちゃうだろうし、あの勢いなら朝食どころか昼食まで食べなさそうだわ…軽食は食べてほしいし…)緊張しながらも、ドアをノックしたのだった
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