戦場のブライド

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 戦闘が終了し、大型輸送機で駐屯地へと帰還する。  駐屯地の宿舎に戻ると、キルアはすぐに着脱トリガーを引きアームドスーツを脱ぎ捨て、傷を負った左腕に小型医療パッチを取りつけた。  すぐに治療が始まり腕の出血は治まったが、これで体に残った傷は十八カ所となっていた。  勢いで彫った左腕の死神の刺青の上に、鎌に引き裂かれたような(あと)が残った。  キルアは厚手のコートを羽織ると入出ゲートに向かい、IDカードをかざしてゲートを抜けるとすぐに塩基性雨の降る街中へと足を運んだ。  街には傭兵のために用意された歓楽街、飲食街があり、様々な植民星から訪れた兵士達で溢れ返っていた。  街外れにある武器倉庫街を訪れ、ひとつの店のドアを開いた。  店の中に所狭しと並ぶ小銃、刀剣を眺めながら、一番奥にあった機械人形の陳列に目を向けた。 「いらっしゃい……ブライドアームドスーツをお探しですか?」  店長らしき人物が義足の足を引きずりながら、近づいてきた。 「ああ、シングルでの戦闘は厳しくなってきた。アシストがいないと高収入のミッションを担うことができないからな。しかし新品はどれも通常兵器の百倍はするな」 「それは何と言っても、一生もののパートナーですからね。高額にもなりますよ」 「戦闘用擬人化アシスト兵器をブライド……『花嫁』とは皮肉にも程があるな」 「当初は刀剣を意味するブレイドアームドスーツという名称だったのですが、傭兵の間でブライドアームドという愛称が流行り、その方が売れるので正式名称になったという経緯がありますね。ここだけの話ですが……中古でいい掘り出し物があるんですが、いかがです? こちらへどうぞ」
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