安心できた夜(ショートショート)

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あくびをしながら真夜中の ひっそりとしたクローゼットの奥 不思議にその場所が気になって 彼はまだ幼くて 不思議な夜に連れていかれる 私は彼について行く そこは草原、花畑 風車が回る綺麗な小屋 振り向く暇無く前に進む 丘の下には町が見えて その町の長老は喜んだ 新しい住人 彼との思い出 その町のみんなは優しくて 困ったら助けてくれていた 彼と私は楽しくて 月日は早く流れてく 女王様が現れて 彼たちを野蛮というもんだから 不満の溜まった町のみんなと 大きな戦争を起こした 女王様は頭を無くし 鳥かごに入れられ海の底へ 彼は私に微笑んで ほっぺにキスをするもんだから 私は嬉しくてキスをし返した 彼と私が王となった 街のみんなも喜んだ 彼は国を一つにまとめ 何度も戦争に勝ってみせた 戦争の反乱も起きたけど 町のみんなは頭を無くし 鳥かごに入れられ海の底へ 彼は私に微笑んで 優しいキスをするもんだから 私は泣いて花を見に行った 彼は私を追いかけて 街のみんなに会わそうとするから 私は隠れようと小屋に走る 彼も小屋に走ってくる 私と彼は眠たくて 真夜中のクローゼットを見ながら 沈黙を2人で頬張った
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