心地良い物(240字のエッセイ)

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心地良い物(240字のエッセイ)

「ねえ、氷って美味しいよね。」 と、突然彼女は聞いてくる。 口に氷を頬張りながら。 僕は返事に困る。 「氷って何味?」 と、またも質問。 「水の味でしょう」 と、答える僕も氷の味ってどんな味と、 自問する。 氷に特別な味は無い。 味が無いから、かき氷🍧にシロップをかけるのだ。 ただ、美味しく感じるのは、 熱くなった口の中を心地良く、冷やすからだ。 全く味の無い物でも嫌われずに人の気持ちを和ませ、心地良くさせる。 そんな氷が、立派に見えた。 そう云う氷に、僕もなりたい。 でも、溶けたら「ただの水」に 成るのか!
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