10人が本棚に入れています
本棚に追加
龍一の目から逃れるためだけに県道に出てきたせいもあるが、それでも多い。
黒い、外交官が好みそうな大型の高級車ばかりだ。
このトラックに向けて、次々と集まってきている。
そして当然のように、運転手は外国人だった。
サイドミラーで確認したライは、チッと舌打ちし、遅ればせながらシートベルトをしめた。
どうやら、龍一とは違う脅威に巻き込まれたようだ。
「あいつら誰だよ」
そういえば、最初に襲ってきたのも外国人だった。
一体なにに巻き込まれているのか。
わからないが、ライはただ逃げるしかない。
携帯を出して応援を呼ぼうとするが、追いついてきた一台のベンツが激しく幅寄せしてきた。
ハンドルを切って避けながら、開けっ放しの窓から目をやれば、ベンツからこちらに向いているのは、なんと銃口。
ライはとっさにブレーキを強く踏み減速する。
下がることでいきなり撃たれることは免れたが、今度はお尻に強い衝撃をうけた。
衝突してしまったかと焦ったが、サイドミラーを覗けば、そこにも外国人が運転する黒塗りのセンチュリーがいた。
最初のコメントを投稿しよう!