楽しい楽しいカーチェイス

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龍一の目から逃れるためだけに県道に出てきたせいもあるが、それでも多い。 黒い、外交官が好みそうな大型の高級車ばかりだ。 このトラックに向けて、次々と集まってきている。 そして当然のように、運転手は外国人だった。 サイドミラーで確認したライは、チッと舌打ちし、遅ればせながらシートベルトをしめた。 どうやら、龍一とは違う脅威に巻き込まれたようだ。 「あいつら誰だよ」 そういえば、最初に襲ってきたのも外国人だった。 一体なにに巻き込まれているのか。 わからないが、ライはただ逃げるしかない。 携帯を出して応援を呼ぼうとするが、追いついてきた一台のベンツが激しく幅寄せしてきた。 ハンドルを切って避けながら、開けっ放しの窓から目をやれば、ベンツからこちらに向いているのは、なんと銃口。 ライはとっさにブレーキを強く踏み減速する。 下がることでいきなり撃たれることは免れたが、今度はお尻に強い衝撃をうけた。 衝突してしまったかと焦ったが、サイドミラーを覗けば、そこにも外国人が運転する黒塗りのセンチュリーがいた。
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