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センチュリーの運転手は、ぶつかったことを歯牙にもかけた様子もなくハンドルを握っている。
こいつも敵だ。
ライを狙ってきている。
「一体何なんだよ」
こちとら、美百合のパンツを返そうとしているだけで、銃を装備した外国人のヤカラに付きまとわれ、狙われる記憶なんてない。
だけど現実、何台もの車両に追われている。
先ほどかわした前のベンツも、再び減速して、こちらに迫ってきている。
このままでは囲まれてしまう。
ライは、悲鳴をあげるギアを無理やりバックにいれ、アクセルを底まで踏み込んだ。
トラックのエンジンが唸りながらバックして、アルミ製の荷台が、今度は遠慮なくセンチュリーの前っ面に激突する。
しかしあちらは、エンジンをフル回転させて前に押し込んで来ようとするが、ライもアクセルベタ踏みで、センチュリーごと強引に後ろに下がった。
センチュリーに続いていた車たちは、衝突を避けるために左右に別れようとする。
だが間に合わない。
アルミの荷台に鼻っ面を張り飛ばされて、思いもかけぬ方向に飛ばされていく。
他の車もそれに巻き込まれて、次々と衝突事故を起こしていった。
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