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楽しい楽しい銃撃戦
とりあえず、美百合のパンツを持ったライを、この場から離脱させた龍一は、
「さて」
と、襲い来る黒塗りの車たちに目をやった。
ざっと数えて、敵は6台に分乗している。
10人以上はいるだろう。
ライの誘導のお陰で、狭い道に一列に並んで向かってきている。
一瞬、ロケットランチャーで吹き飛ばしてやれば早いな、という案が頭に浮かぶが、町中でそんなことをしたら、また口うるさい桜庭から苦情の電話がかかってくる。
それも、かなり面倒だ。
などと考えていたら、発砲音と共に、銃弾が窓が開いた車内に飛び込んで来て、龍一のすぐ前を横切った。
美百合が乗る助手席側の窓にあたり、ヒビをいれる。
さすがの美百合も驚いたのか、
「あらま」
と声をあげて仰け反った。
その瞬間、龍一は切れた。
美百合に恐怖の悲鳴をあげさせるなど言語道断。
万死に値する。
と、今度はためらうことなく敵に向かって銃を連射する。
だが向かい来る車は、どれも龍一の弾丸を他愛なく弾き返してしまった。
どれも防弾仕様のようだ。
稚児のような龍一の抵抗に、黒塗りの車の中の敵が、余裕しゃくしゃくに笑っているように見えた。
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