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追いかけっこの結末
有坂家の玄関前で、ライは正座して、龍一たちの帰りを待っていた。
いったん引き離すことは出来たので、このまま逃げ続けることも可能だったかもしれないが、町中でガトリング銃を発射させるのが有坂龍一だ。
あんなのを相手にする気が、とことん失せた。
一刻も早く、ホールドアップした方がいい。
この後、どんな恐ろしい報復が待っていたとしても、言い訳ひとつ出来ず蜂の巣にされるよりずいぶんマシだ。
そして、軽トラックで帰ってきた龍一は、ライに、一瞥をくれるなり、
「覚悟は出来ているようだな」
と言い放った。
ライはごくりと唾を飲む。
覚悟……。
どうか、ぶっ飛ばされてクビになるくらいで済んでほしい、と願う。
殺されるかもしれない恐怖で喉がキュッと閉まり、声を発することが出来ないまま、ライは持参したソレを頭の上に掲げた。
さすがに裸で持ってくるわけにはいかないから、ハンカチ用のギフトボックスに入っている。
それを、龍一は受け取り、顔色ひとつ変えることなく、指先でつまんで中身を引っ張り出した。
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