追いかけっこの結末

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恐る恐る顔をあげるライの前で、龍一は美百合に家に入っているようにと、顎で命じた。 思わず、 「行かないで」 とすがりつきたくなったが、美百合は、 「オッケー」 と簡単に言って、玄関のドアを開けて、家の中に入ってしまう。 でも、ドアを閉める寸前に、ライのことを振り返って、 「あ、後であなたもどうぞ。お茶でも飲みましょ」 と誘ってくれた。 これで、ライのクビは決定した。 そして果たして、優雅にお茶を飲めるような未来が、ライに訪れるのだろうか。 とりあえず、正座して次なる制裁を待つライの前で、龍一は先ほどのパンツを取り出しだしてきた。 今度こそ、美百合が盗まれた方のパンツだ。 それを両方の指で持って広げて見せながら、 「これが何かわかるか?」 と聞いてきた。 どこから見たってパンツだ。 だけどそのまま言う気にはなれず、 「美百合さんの私物です」 ライはそう答えた。 すると龍一は、ちょっと気にくわない顔をして、パンツの正面についていたレーズのリボン部分を摘まんでみせた。 「ここにマイクロチップが入っている」 「は?」
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