追いかけっこの結末

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「じゃあ、その中には、本当にそんな重要機密が?」 ライが震える指先で差す先にはレースで出来た女物のパンツ。 なんでそんな場所に隠すのか、さっぱり意味はわからないが、でもならば、ライを追いかけてきたあの外国人たちの行動は、正鵠を射ていたことになる。 国庫や本部に忍び込むより、美百合のパンツを手に入れることの方が、よっぽど簡単だ。 それに、他国のミサイル設計図を手に入れ、あまつさえ、それに気づかれずに細工していた、なんて重要機密を、もしも諸外国の国が手に入れたら、今後、我が日本国にどんな影響を与えるかわからない。 きっと、どんな取引にも使える。 日本という国に対し、相手国は、かなり優位な立場に立つことができる。 すると龍一は、 「美百合の傍より安全な場所は他にないからな」 と、しれっとそんな場所に隠す理由を語ったが、でも、実際盗まれているだろうと、心の中で突っ込んでしまう。 と、 「美百合がおとなしく、俺の言うことを聞いてくれていればの話だが」 龍一は、ため息をついて付け加えた。 確かに、と、こくこくうなずいてしまった。
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