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「ウィ~。ぼーくはもう、のめましぇん! あなたがぁ、トゥキだからぁ!」
「姫宮センセ、それ電柱です。飲み過ぎですよ、飲み過ぎ!」
「でんちゅーでもいい! ぼくは日本一の人気作家のひめみやてんてえなんだじょ~。でんちゅーでござる、でんちゅうでござーる、キャハハハ!」
「うっわこの人酒癖悪いな。マジでここに捨てていきてえ」
主に飲ませたのは編集長だが、彼はとうにタクシーでご帰宅済みである。
汚物の処理を押し付けられた担当編集者は目に涙を浮かべながら、二度とこのゴミを酒席に呼ぶものかと心に誓った。
その姫宮氏が陽気に電柱とタップダンスを踊りながらこんなことを訊いた。
「ねえ! そういえばさ、最近ぼくちん宛てのファンレターってどこに保管してんの? 前はたまにくれてたじゃん。こんなに売れてちゃ、レターボックスなんかとっくのとうに満タンでしょうよ!」
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