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「は?」
編集者は大根くらいならスパッと切れてしまいそうなほど鋭い視線で答えた。
「そんなもん来てないっす。つうかイマドキ、ファンレターなんて書く人いないんじゃないっすか。とにかくこっちじゃ保管とかしてないんで。変な期待しないように」
「……しょーなの? まあいいや。そんじゃ今度サイン会とかやろうよ。ぼくちん腱鞘炎になるまで何百冊でもサインするからさあ」
「それも結構です。っていうか、あんたの本って電子版は売れてるけど製本すると売れないんすよね。そりゃ、前よりはわずか……いや、やっぱ変わんないっす。電子版しか売れないし次から電書のみでいこうって会議にかけてるんすから」
「はええ? しょんなもん? ふええ。うーん? でもまあ、いいか。売れてるんだし」
「売れてんのは間違いないっすね。ほらこれキャンドルのランキング。あと、これがレビュー。この人なんか星5つけてくれてますよ、よかったね」
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