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翌日。
ガンガンと痛む頭を抱えて、日も暮れる頃ようやく目覚めた姫宮氏。
「クソ。あいつら安酒なんか飲ませやがって。高い酒は二日酔いしないんだぞ。てててて。でもしゃあねえや、一応礼くらいは言っておかなきゃな。今度はもっと高い店にしてもらわねえと」
ぶつぶつ言いながら担当編集者に申し訳なさそうなメールを送り、姫宮氏は思い出した。
「そうだ、キャンドルのレビューがどうかしたんだったっけな」
昨夜見たのと同じレビューは割とすぐに見つかった。
姫宮氏の小説への評価は星だけがついていてコメントがないものが多かったが、たまについているレビューは「参考になる」だの「わかりやすい」だので、とてもでないが小説につく内容ではなかった。
「おいおい僕の小説は学習参考書じゃないんだぞ」
学習……参考書?
自分で言いながら姫宮氏はすっと冷たい予感が背筋を駆け上るのを感じた。
参考になると書いてきたレビュアーのページへ飛ぶ。
椎野たけし……他の作家にも星5を投げて、いつもコメントは「参考になります」。
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