アブノーマル・アイデンティティ

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 椎野たけし、椎野たけしってどっかで……でもどこでだっけと考えて思い出した。 「椎野たけしって、これペンネームだ。なんかの賞で佳作貰った新人作家じゃねえか?」  姫宮氏は慌てて椎野たけしと検索窓に打ち込んだ。  椎野たけしも駆け出しの作家として、一、二冊の本を出していた。  姫宮氏はゾッと首筋に鳥肌を立てた。  他に参考になるとレビューしてきた人物の名前を分かる範囲で検索する。  かなりの確率で彼らも無名の作家であった。 「こ、こいつらもしかして」  皆が皆、AIを使って小説を書いているのじゃないか。
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