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「読んでるやつも書いてるやつも。あいつも、こいつも! みんなみんなAIだあ! AIなんだあ……!」
とうとう耐え切れなくなった姫宮氏は雄たけびを上げて、安い賃貸のアパートをはだしのまま飛び出した。
「あら、ちょっと田中さんどうしたの。なんかまたすごい声聞こえたけど……ねえ、田中さん、田中さーん?」
不運にも姫宮氏の隣に暮らしている老婆は通りの向こうを覗き込むように見やった。
外にはただ、黒々とした夜があるばかりである。
姫宮氏の行方は、誰も知らない。
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