アブノーマル・アイデンティティ

3/19

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
 しかしいざ取り掛かろうとすると、なかなかどうして不思議なことに一行どころか一言、一文字すらも思い浮かばないから困ったものだ。  頼まれてもいない小説はあっという間に書き上がるのに、こういう時に限って摩訶不思議、何をどう書いてよいやら皆目見当もつかぬ。 「ヤバいよヤバいよ~、締め切りまであと三日だよ~。いや、逆にこう考える。あと三日もある……とッ!」  姫宮氏は知性の働きと若さと健康を保つために、今日も午後九時に就寝した。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加