アブノーマル・アイデンティティ

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 翌朝。 「なぜなんだ、どうしてなんだ! たった一万字じゃないか、あと一万字じゃないか、こんなのいつもの僕なら秒で終わってるはずだろ?」  姫宮氏は気分転換にスターボックスにコーヒーを飲みに行った。  店員の女の子に笑顔でコーヒーを渡されて鼻の下を伸ばし、カップの側面から底面、レシートの裏に至るまでくまなく調べたが彼女の番号やラインアイディーらしきものが見つからなかった。 「はは、このドジっ子め。僕に連絡先渡すの忘れているゾ!」  と思ったがそれを指摘するほどの勇気はない。
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