アブノーマル・アイデンティティ

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 珍しく姫宮氏の携帯が鳴った。 「いや~姫宮センセ、やればできるじゃないっすかあ!」 「あ、そう? そんなに良かったかなあ? 僕としてはもう少し踏み込んで書きたかったんだけど、ほら、字数も少ないし時間もなくてね」 「あ、そういうの、いいんで。毎回毎回ヒネらなくていいところをヒネってこねくり回して腸ねん転みたいな小説、正直読みたくなかったんすよね! 今回みたいな普通の作品がいいんすよ。しかもいつもの強敵と書いてダチと読ませるみたいな珍走団ノリの腐れポエムも出てこないし、ほんと、マジ読みやすいっす!」 「……そ、そう。そう、か……な、うん」 「次回もこんな感じでお願いするっす! さっそく、どうっすか、来月号。今回と同じ字数で、同じヒロインで連作に……」
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