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う~ん、何?
小さな音声が耳に……ボールの弾ける音?
小さな音を耳が拾い始め、段々と私は覚醒していった。
ぼんやりと薫くんの背中が見えて、あれ? っと思い、そっかまだ
夜じゃなくて私ったら疲れて昼寝してたんだってことに、納得して……
薫くんが何か見てて、そのテレビから零れてきた音が聞こえてたんだ
ってことに気付いて私は薫くんに声を掛けた。
「何見てるの? 」
「あっ、芽衣さん。テニス、今ちょうど加山選手がリードしていいところ
なんですよ」
薫くんが私の位置からも見えるように少し身体をずらしてくれた。
だいぶ、私の位置からは離れているので明確には見えないけれど
日本の選手が誰なのかは何となくわかった。
私は薫くんの発言を受けてモソモソと掛けていた肌布団をどけて
テレビのほうへと近づいて行った。
◇ ◇ ◇ ◇
「加山ってほんとすごいっすよね。尊敬するぅ~」
いつもの薫くんらしくなく、えらい感激している。
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