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「この夏は私がアルバイトお願いしちゃったから
テニスできてないよね?
知らなかったとはいえ、高校生なら大抵部活してるンだから
気が利かなくてごめんなさいね」
「そっ、そんな芽衣さん謝らないで。
今、母さん居なくてこんなだから、どのみち部活なんて
行ってられなかったと思うし……俺芽衣さんには感謝してるんです」
「薫クンッ! 」
「……? 」
「テニスしよう、私たちも」
「芽衣さん? 」
「実は私もテニス少しだけどかじってて、そこそこ打てるンだ。
私は硬式も少しやったことあるんだけど、軟式テニスやってたんなら
硬式なんてすぐに馴染めちゃうよ?
だからやろう?」
私がテニスを誘うと薫くんが奇麗に微笑んだ。
「薫くん、寝なかったんだね?
疲れてない?」
「俺は若いから大丈夫です」
「そっか、じゃあ今からお夕飯作るから手伝ってね」
簡単に蕎麦を2人でちゃっちゃっと作って頂いた。
「「ごちそうさまでした」」
◇ ◇ ◇ ◇
この日も、一緒に夕飯を摂って、薫くんが帰って行くのを見送った。
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