『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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151 「この夏は私がアルバイトお願いしちゃったから テニスできてないよね?   知らなかったとはいえ、高校生なら大抵部活してるンだから 気が利かなくてごめんなさいね」  「そっ、そんな芽衣さん謝らないで。 今、母さん居なくてこんなだから、どのみち部活なんて 行ってられなかったと思うし……俺芽衣さんには感謝してるんです」  「薫クンッ! 」  「……? 」  「テニスしよう、私たちも」  「芽衣さん? 」  「実は私もテニス少しだけどかじってて、そこそこ打てるンだ。 私は硬式も少しやったことあるんだけど、軟式テニスやってたんなら 硬式なんてすぐに馴染めちゃうよ?   だからやろう?」  私がテニスを誘うと薫くんが奇麗に微笑んだ。  「薫くん、寝なかったんだね?  疲れてない?」  「俺は若いから大丈夫です」  「そっか、じゃあ今からお夕飯作るから手伝ってね」  簡単に蕎麦を2人でちゃっちゃっと作って頂いた。  「「ごちそうさまでした」」           ◇ ◇ ◇ ◇  この日も、一緒に夕飯を摂って、薫くんが帰って行くのを見送った。 72
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