『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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218  しかし、参ったね。  食事中に楽しそうに交わしてるふたりの雑談に耳を傾けてら いきなりだもんなぁ~。  雑談の続きみたいな何気ない風でさ。 「辰木さん、私こちらにスカウトされるようなんですけど、あのぉ~  私はどんなことをすればいいのでしょうか?  お手伝いさんみたいな感じですか? 」 と、彼女からの直球がビシッと飛んできた。  俺は蒸せながらお袋の顔を見て、どこまで話してんだよ? と表情で問いかけた。   「いやぁ~、そのね……あれよあれっ。  芽衣さんにね、今の仕事を辞めてうちに来てもらえないかしら? って お願いしたのよ」  うれしそうにお袋が言う。  「あぁぁぁ、それだけなのよ、芽衣さんに話したのは。  ほらっ、私口下手だから、詳しい話はあなたから話してもらったほうが いいと思ってね」  口下手って、お母さんあなたを口下手と言うなら、世の中口下手だらけ でしょうよ。  まっ、何も言わずに黙っていられるとは思ってませんでしたがね。 111-2
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