『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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219  「急な話でびっくりしたろ?  実は俺も今朝お袋から聞かされて驚いた。  お袋もこう見えて元気そうにはしてるが、(よわい)80才、足腰も 随分と弱って来てて、ほとんど家の中だろ?   俺が帰るまでほとんど誰とも話さない生活なんだ。  唯一の話し相手は猫の楓くらいのもんで。  そんな生活の中にポンと可愛い君のような娘さんが来て・・楽しく話して いるうちに、毎日話ができたらどんなに楽しいだろうって思ったらしいんだ。  まぁ、お袋の心情としては家政婦さんとかお手伝いさんとか そんな呼び方で君に来てほしくはないような。   だけどまぁ、話し相手だけにっていうわけにもいかなくて、結局 台所仕事や家事全般お袋がこれまで普通にこなしてきた 主婦のするようなことを一緒に手伝ってほしいというのが本音かな。  運転が出来るなら買い出しなんかもしてもらえると俺も助かるしね。  運転が駄目なら、別に買い出しは今まで通り俺が仕事帰りや休日に するからそれはそれで構わないんだが。  いきなりのことで君もびっくりしただろうけどどうだろう?  考えてみてくれないだろうか。  ところで、君は今いくら貰ってるの?」  「お給料は私の場合日給月給になってて、7時間~10時間勤務なんですが 私は10時間になると休憩あっても身体がキツイのでずっと7時間に してもらってます。  繁忙期になるとそうも言ってられないんですけどね。  時給が1000円なのでえ~と・・14~15万円ってところでしょうか」  「今の賃貸料は? 」  「45000円です」 112
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