♡:。.孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。―― それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ――。:♡『アイノカタチ』はいろいろ♡-23-

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220 「家賃と光熱費タダの10万円でどうだろう? 就業時間は10-12時、13-18時の7時間くらいでどうだろう。 7時間ったって、3時にはお茶の時間をとってもらっていいし 疲れたら座って休憩もとってもらって構わないよ。  厳密な雇用関係はお袋も俺も望んでないんだ。  手っ取り早い話、お袋の話し相手と手伝いをしてもらえればいいんだ。  ンとそれと土、日、祝日は休みだな」  私は熱心に辰木さんの労働条件に耳を傾けた。  家賃と光熱費がいらないと聞いて徐々に固まりつつあった決意が 固く硬く固まった。    仕事内容だって、今の職場の仕事に比べれば身体もきっと楽だろう。  問題は万寿さんとずっといい関係を保っていられるかどうかなんだと 思う。  彼女と行き違いができて、関係が上手くいかなくなったら、その時は もうここにはいられないだろう。  だけども、ぎゃくなら・・彼女とずっと上手くやっていけたなら ここは私の楽園になるだろう。  さぁ、どうする、芽衣?  ひとつ言えるのは、旅館の仕事はいくらでも転がってるけど こんな良いご縁の話はこれを逃せば、この先まずないだろうって いうこと。 112-2
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