♡:。.孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。―― それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ――。:♡『アイノカタチ』はいろいろ♡-23-

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224  どうしたの?  大きなため息ついちゃったりして!  そういえば最近ずーっとお弁当持ってきてないみたいだけど あれっ?  奥さんと喧嘩しちゃった? 」  「ンだよ、百瀬。  俺だってため息くらいつきますぅ」             ◇ ◇ ◇ ◇  何だよいきなり、百瀬のヤツ。  年頃の男性社員にもっと気遣いってもんができないのかよ・・って いう風に毒づく野郎なんて俺くらいのもんだろうなぁ~。  俺様のため息にこんな台詞を吐くような女だが、実はこのお嬢様 見た目が激しく見め麗しくてこのフロアーの男共がわんさか狙ってる お嬢玉、じゃなかった、お嬢様なんだよな。  しかしなぁ~、こんな素敵なお嬢様のことを心の中とはいえ 玉だなんて・・ブッ。  人には言えない言えない、うひょっ!  たまたま俺たちの島の人間は皆、出払っていて話し声を 誰にも聞かれないっていうこともあったのと、心が弱ってたんだな きっと、俺は彼女に教えてはならないプライバシーに係わる秘密を 話してしまった。  「ね、百瀬ってエスパーなの?  エスパーでしょ!  そうなんだよね、ちょっとした行き違いで奥さん家出中なのようぅっ」  言いながら、マジで涙目になってしまったぜ。 「街木くん、それ本当なの?  うーあー、大変じゃない。  ため息ついてる場合じゃないんじゃない?  探しに行かなきゃ」 「うん、そだな。俺もそう思うわ」  もうすでに行ってはいるんだけどな。  俺は無難な返事を返した。 「街木くん?   心にぐっさりくることを言ってごめんね。  何か私で手伝えることがあったら言って!   ほらっ、なんにもできなくて側にいるくらいしか出来ないとしてもさぁ、 1人で立ってるのが辛い時に隣に誰かいるだけでも少しは辛さだとか不安感だとかが軽減されると思うンだ」  「おう、ありがと」  「うん・・」   115
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