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「えーっ、行こうぜ街木い~、可愛い子いるんだって」
「「行こうぜっ、付き合い悪いぜ」」
「あーっ、わりぃ、俺そういうの駄目なんだわ」
「勃たないとか? 」「「「「「爆笑グハハハッ~」」」」」
「おまいら、失礼だなぁ~。 じゃそういうことで帰るわ」
そう言って颯爽と街木くんは暖簾を潜り1人店を出て行ったのだ。
そんな街木くんの残像を私はなんでかちょっとした新鮮さって
いうか興味っていうか、なんか表現しにくい感情でなぞってた。
「「奥さんいるとさ、いろいろと面倒なんだなっ。
俺ら、独身でよかったよなっ」」
「「ンニャ、んにゃ! 」」
その後、彼らは奥さん怖さに街木くんが断って帰ったみたいなふうに
話してた。
でも今日、街木くんから奥さんの家出の話を聞いて、記憶を遡って
考えてみると、あの日にはもう奥さんは家を出た後だったみたいだから
奥さんがいなかったのに、他の子たちと一緒に遊びに行かなかった
ってことになるわけ。
はぁ~、へぇ~、そういう男子なんだ街木くんって。
なんか、いいよね。
うんっ、すごくいいよっ。
◇ ◇ ◇ ◇
数日後のこと。
街木くんが食事を食べに出て行った後の彼の机を見つめつつ、
弁当を食べながらあの日のことを回想して私はそう思ったのだ。
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