『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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235❧  最近、街木くん毎日外食も食べに出るのも面倒くさくなっちゃった って、毎日じゃないけど何回かお弁当持って来てるのよね。  えらいねって言いたいところだけど、私だって自分で作ってるからね まぁ、弁当組の同志になっちゃったわね。  私も毎日は疲れるから気分転換に時々は外食する。  なので、時々お昼は一緒にお弁当拡げるんだけどあんまり 話はしないのよね。  お互いほんと気を遣わなくて済むっていうか。  他の男どものようにおべんちゃらや無駄な話を振って こないから、ほんと側にいても気楽な相手だわ。  「おいっ、食べながら笑うなんて……どうしたんだぁ? 彼氏のことでも思い出したのか? 」  「へっ、私笑ってた?   自分では気が付かなかった」  「笑ってたぞぉ~」  「あぁそれと、私彼氏いないから,ここはきっぱりと訂正しとく」  「ほっほう~、皆喜ぶなっ」  「あぁ、そんなの他の人たちに言わなくていいから、お願い しますよぅ~、街木くん」  「そうなの?   百瀬って変わってるよな、っていうかそうだよな。   言っても言わなくても百瀬はモテモテだから関係ないかっ」  「そこんとこ、否定しないけど、好きでもない相手にモテてもって 感じかな」  「言えてるなっ……。  あの、俺さ……俺の奥さん芽衣っていうだけど 居場所が分かったから会いに行こうかと思ってるんだ。  ちゃんと話合わなくちゃいけないことがあって。  前さ、百瀬に探しに行かなきゃって言われてたろ?  あの時点で実は一度芽衣に会いに行ってたんだ」 「ごめんなさい、私、よけいなこと言ってたのね」 「いや。その時は、遠目から見ただけで芽衣とは会ってないんだ。  だから話も出来てなくて。  今彼女どうも旅館で働いてるらしい」 121
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