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新幹線の切符代は街木くんが出してくれた。
休日だし、長時間になるので指定席にしたみたい。
これまでめったに新幹線なんて乗る機会なかったし、まして東北方面なんて
初めてで、窓からだけど流れる景色を目に焼けつけてやるぅ~
なんて意気込んだ。
予め買ってたお茶を街木くんに渡した。
5時間以上の列車の旅には、欠かせないアイテムでしょ?
座席に座るとすぐにバッグから出した。
「これ、お茶なんだけど、どうぞ」
「おう、ありがと、いくら? 」
「新幹線のチケット代全額出してもらってるから、これくらい
奢らせて? 」
「いや、俺の都合で付いてってもらうんだからさ、そこは気にしなくて
いいぜ。ンっと、じゃあごっち」
私と街木くんがこの後話すことはあまりなかった。
それぞれが旅先迄、自分たちの時間を思い思いの過ごし方でやり過ごした。
なんとなく街木くんが人生のパートナーにどんな人を選んだのか
少なからず興味があったので、街木くんは元より私も少しの期待を持って
花巻に向かったのだった。
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