『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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367  今勝ち組の人たちだってその多くは何度かいかさまに合って損すること を経験してる人が大半みたいでね。  だから俺みたいに最初から本物と出会えるって宝くじを引き当てるくらい すごいことなんだ。  だから、ちゃんと勝てる法則っていうかやり方が存在していて、 実際あるんだ。  だから勝ち続けている人っていうのはいる。   だけどいくら本物と出会って学んだからと言って誰でもが稼げると いうものでもないけど。   俺はたまたま向いてたっていうか、何でもそうだけどセンスって 大事なんだよね」  「それ、本当に信じていいの? 」  「心配なら俺の通帳見せようか?   やりはじめたばっかだから、言うほどには入ってないけど、とにかく 収入源は工場以外にもあるからっていうことを言っておきたかったんだ」  実は、私は薫くんと結婚の話が出てない時も、それから出た後も、 薫くんが今の職場をリストラされて再就職できなかったら、薫くんに 真由をみてもらって私が働きに出よう、なんてこと考えてたから。  この予想もしていなかった展開に付いていけない。  なんてうれしい予想外な展開。  「真由ちゃん、カオね、真由ちゃんのお父さんになるよ」  薫くんがそう言うと、真由が満面の笑みになった。 195-2
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