『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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368  夏祭りと娘の真由が薫との縁を結んでくれて、薫との結婚が決まった。  その後、薫とは十分に話し合って正式に結婚するのは 万寿の手前もあり2年後を目途にした。  剛さんと結婚する時には薫くんとの結婚なんて夢にも考えたことなくて だけど当時結婚を決めた時、私の中の一番は薫くんだった。  でも私は剛さんとの結婚を進めた。  人生は時に残酷だ。  順番は変えられない。  剛さんと付き合う前に薫くんが会いに来ていたら、私が剛さんと 結婚することはなかっただろうにと思う。  だけど薫くんが会いに来たのは私がすでに剛さんと深い仲になった 後だったし、私にも薫くんにもやっぱりあの時は剛さんという大きな傘が 必要だったのだ。  そして彼は懐の深いやさしい人だった。  今でも私は夫を愛していたと断言できる。  私と薫くんとの絆のことも知った上で私たちにやさしくしてくれた人。  いつまでも忘れません、あなたのことを。  あなたと万寿さんの存在なくして、今の私と薫くんの幸せはなかったと 思うから。 196
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