『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

369/379
前へ
/379ページ
次へ
369  剛の一周忌を終えた後、芽衣は万寿からある提案を受けることになった。  それは、万寿の養女として芽衣と養子縁組したいというものだった。           ◇ ◇ ◇ ◇  目の前の芽衣ちゃんはひどく驚いている。 「万寿さん……わたし……」  人の好いこの子は・・嫁は、私の提案がいかほどのものなのか全く  わかってないのかもしれない。  普通ならここは戸惑わず喜ぶところだよ?    まぁ、財産の譲渡に介護が付いてくると思えば、喜べないかっ!  芽衣ちゃんに何もかもさせようなんて私は思ってない。  今のように様子を見に来てくれて何かあった時は少し頼りにさせて もらえれば十分なんだ。  現実的なことは誰か人を雇えばいいだけだからね。  私には姉妹だっている、甥や姪もいる。  普通なら、亡き後、そちらにもお金はいくだろうと思う。  だけど私は芽衣ちゃんと真由に多くを生前贈与し、残ったものも ふたりに残せるようにいろいろと段取りしておこうと思ってる。  いつぽっくり逝ってもいいように。   196-2
/379ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加