『アイノカタチ』- 孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。 それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ~♡

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372     芽衣は思わぬ万寿からの提案に恐れおののいた。  きゃぁー、どうしよう!  自分は来年には薫と結婚の約束をしている身。  こんなことなら、もっと早くに万寿さんに怒られても報告して おくのだった。  さまざまなことに頭を巡らせ、悩んだ末に芽衣は万寿に告げたのだった。   「万寿さん、ありがとうございます。  お気持ちはとても有難いのですが・・」  え? 何、この展開。  もしかもしかして、断るつもりなのかしら? 「実は・・わたし、来年になったら結婚しようと約束している人が いるんです」 「芽衣ちゃん、それ薫くんでしょ、違う? 」  ほら、ほらほら・・ずばりだね。  芽衣ちゃんがびっくりしてるよ。 「万寿さん、どうして・・」 「分かるわよ、それくらい。  だって私は芽衣ちゃんのことが好きだからね。  そんなこと断る理由にならないよ?   私と養子縁組しよう。  薫くんとだって早く結婚すればいいのよ。  私や亡くなった剛に操を立てる必要はないんだよ?  気持ちはうれしいけど。  芽衣ちゃん? 順番が違ってたら・・いや、よすわ」 198
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