♡:。.孤独だった私に手を差し伸べてくれた人がいた。―― それぞれの思い出を抱えて私は生きてゆく ――。:♡『アイノカタチ』はいろいろ♡-23-

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376  俺って何やってンだろう。  俺からのプロポーズに、少しの間考える素振りが芽衣にはあった。  芽衣が何で迷っているか、本当は心のどこかで分かってたような気が する。  俺が薫っていうヤツのことについて、芽衣と一緒にもっと親身になって やれば、良かったのかもしれないってことを。  けど、芽衣との再婚は真剣に考えてたけど、それは受け入れ がたかったンだ。  たぶん、受け入れたら、この先もずっと芽衣と薫との縁は切れないって 分かってたからな。  俺は薫って奴に負けたんだよなぁ。  帰りの新幹線の中、俺は敗北感にまみれていた。  なのに隣に座る百瀬は何故か、能天気に明るいじゃないか。 「な、俺が店から出た後、すぐに出てこなかっただろ?  何してたんだ? 」 「私、芽衣さんとお話しちゃった」 「なんだよ~、俺振られて今後彼女とは縁がないっていうのに。  話す意味ある? 」 「まぁまぁまぁ、機嫌なおしなよ!   芽衣さんってむちゃ、いい人だよね」  「ちっ、俺を二度も振ったヤツのことなんて、褒めねぇ~よっ」  俺は不貞腐れた態で返事をした。  振りに振った人間のことを、誉めるなんて芸当俺にはできないねっ。  芽衣がいいヤツだなんて、とうの昔っから知ってらぁ、テヤンデェィ。 200
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