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「もう相田さんを他の誰かにとられるのが嫌なんだ。俺のこと好きになってもらえるように頑張るから、付き合ってほしい。」
抱きしめられているから顔は見えないけど、とても真剣な声で告げられたその想いに、胸のドキドキが止まらない。
だけど元彼の言葉が頭をよぎる…。
「わ、私。きっと槙田くんが思ってるような人間じゃないと思う。つまらない女ってよく言われるし。」
私はつまらない女、頭では理解しているけど、言葉にすると悲しくなる。
「だから付き合っても、きっと色んな意味でがっかりさせちゃう。」
「…つまらない女って、相澤に言われたの?」
槙田くんの問いに、こくんと頷く。
すると彼は、は〜、とため息をついた。
…っ。やっぱりそんな女は嫌だよね。槙田くんなら女の子を選び放題だと思うし、わざわざ私みたいな女を選ばなくても…。
だけど、彼から発せられた言葉は自分が思っていたものとは違った。
「相澤はバカだね。こんなに可愛くて魅力的な子、他にはいないのに。」
私の頭を撫でて、そう言ってくれたのだ。
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