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浴室に入ると湯船まで張ってくれていて、温かいお湯がとても気持ちよかった。
新しいバスタオルと新品の歯ブラシもちゃんと用意されていたから、ありがたくそれを使わせてもらうことにした。
槙田くんは本当に優しい…。男の人にこんなに優しくされたことが今までないから、彼の優しさが弱った心にとても沁みる…。
乾かしてもらった服は普段着だから、最初に借りていた彼のジャージを着て、部屋に戻った。
彼の服を着るのは二度目だけど、やっぱり少し恥ずかしかった。でも今度はちゃんと下着もつけているからさっきよりは平気…。
着替えを終えて部屋に戻ると、槙田くんは、私がちゃんと部屋着を着ていたことに安心した顔をして、抱きしめてきた。
「本当に泊まってくれるんだね。嬉しい。」
「うん…。今夜はお世話になります。」
そう告げると、彼は満足そうに笑っていた。
「そういえば相田さんはお腹、空いてる?」
「あー、ううん。全然、空いてないかな。」
お昼から何も食べていないけど、こんな状況だからか、お腹は全く空いていなかった。
「そっか。じゃあ俺もお風呂に行ってくるから、適当に座ってテレビとかみてて。」
そう言って、部屋から出ていった。
この時間は普段テレビなんてみないけど、スマホが壊れてしまったから他にやることもなくて、彼が言った通りテレビをつけて待っていることにした。
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