実家での暮らし

18/19
前へ
/180ページ
次へ
私がお風呂から出て部屋に入ると、翔真はベッドの横に敷いた敷布団にゴロンっと横になっていた。 「ごめんね、今日はすごく気を遣ったよね」 敷布団の隣に座り、そう言うと、翔真は笑って横に首を振っていた。 《 莉乃の家族と仲良くなれて嬉しいし、お母さんの料理もすごくおいしかった 》 「そう言ってもらえると嬉しい。ありがとう」 きっと翔真は私の家族にもそうやって、優しく接してくれたのだと思う。 本当に翔真は、どこまでも優しい人。 「今日は疲れいるだろうし、もう電気を消して寝る?」 時計を見ると21時になるところだった。 翔真は少し考えてから起き上がると、手招きしてきたから、指定された翔真の隣に座る。 するとぎゅっと抱きしめられたから、寝ないでもう少しこうしていたいんだなと察した。 少し前までは当たり前だった、寝る前の翔真とのまったりする時間。 それを思い出して、なんだかほっこりした。 《 莉乃の幼馴染……、さっき卒アル見たんだけど莉乃のタイプの顔してた 》 「え?!」 そういえば、前にちらっと名前を口にしていたかもしれない。 《 莉乃の好きな俳優に似てた 》 「そ、そうかな?全然そういう目で見てなかったし、言われてみればたしかに似てるかもだけど、今は少し顔も変わってたよ。それに……、」 これを伝えるのは、すごく恥ずかしい……。 恥ずかしいけれど、いつも翔真は私にきにんと気持ちを伝えてくれるから、私も伝えたい。 「わ、私のタイプは翔真だから……。顔も声も、性格も……。全部っ、好き、です」 それを聞いた翔真は、そのまま固まってしまって動かない。 《 昼間といい今といい、何なの? 》 《 あんまり可愛いこと言わないで。まじで抑えるのきついからさ 》 そう言いつつも、翔真はスマホを置くと、私の身体に触れ始めた。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加