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私がお風呂から出て部屋に入ると、翔真はベッドの横に敷いた敷布団にゴロンっと横になっていた。
「ごめんね、今日はすごく気を遣ったよね」
敷布団の隣に座り、そう言うと、翔真は笑って横に首を振っていた。
《 莉乃の家族と仲良くなれて嬉しいし、お母さんの料理もすごくおいしかった 》
「そう言ってもらえると嬉しい。ありがとう」
きっと翔真は私の家族にもそうやって、優しく接してくれたのだと思う。
本当に翔真は、どこまでも優しい人。
「今日は疲れいるだろうし、もう電気を消して寝る?」
時計を見ると21時になるところだった。
翔真は少し考えてから起き上がると、手招きしてきたから、指定された翔真の隣に座る。
するとぎゅっと抱きしめられたから、寝ないでもう少しこうしていたいんだなと察した。
少し前までは当たり前だった、寝る前の翔真とのまったりする時間。
それを思い出して、なんだかほっこりした。
《 莉乃の幼馴染……、さっき卒アル見たんだけど莉乃のタイプの顔してた 》
「え?!」
そういえば、前にちらっと名前を口にしていたかもしれない。
《 莉乃の好きな俳優に似てた 》
「そ、そうかな?全然そういう目で見てなかったし、言われてみればたしかに似てるかもだけど、今は少し顔も変わってたよ。それに……、」
これを伝えるのは、すごく恥ずかしい……。
恥ずかしいけれど、いつも翔真は私にきにんと気持ちを伝えてくれるから、私も伝えたい。
「わ、私のタイプは翔真だから……。顔も声も、性格も……。全部っ、好き、です」
それを聞いた翔真は、そのまま固まってしまって動かない。
《 昼間といい今といい、何なの? 》
《 あんまり可愛いこと言わないで。まじで抑えるのきついからさ 》
そう言いつつも、翔真はスマホを置くと、私の身体に触れ始めた。
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