72人が本棚に入れています
本棚に追加
それは触れるくらいの軽いキスなんかじゃなくて、深い深いキスだった。
「んんっ…!」
逃げられない。押し倒されて、ぎゅっと抱きしめられて、身体も唇も離してくれない。
…息が、苦しい。だけど槙田くんとのキスは初めてなのに、なんだかとても気持ちがよくて頭がふわふわする。
彼の飲んだブラックコーヒーの苦味があるのに、なぜかとても甘く感じるキス。
こんなキスは初めてだった…。
「はぁ…っ。」
長い時間キスをされて、ようやく槙田くんは唇を離してくれた。
「な、んで。キス…。」
「相田さんのことが、好きだからだよ。」
震える声で問いかけると、槙田くんは私をまっすぐ見て迷いなくそう答えた。
「そんな…。冗談、だよね?」
私たち、そんなに話したこともないのに。
大学ではみんなの中心にいるような人が、私みたいな地味な女を好きだなんて、そんなの信じられないよ…。
「冗談なんかじゃないよ。ずっと好きだった。」
槙田くんは掠れた声でそう言うと、また私の唇を塞いで服の中に手を入れてきた。
下着は濡れてしまってつけていない。だから彼は簡単に私の素肌に触れられる。
最初のコメントを投稿しよう!