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好きになった理由
目を覚ますと、槙田くんが私を抱きしめながら眠っていた。
あの後、私…。寝ちゃったんだっけ…。
強い雨に打たれたことで思ったより体力を消耗していて、さらにあんな…。
甘い快感から解放された今、私は後悔した。付き合ってもいない人に、私は初めてを捧げてしまったから…。
いくら振られて寂しかったからって、大学で人気者の彼に迫られたからって…。最後まで許してしまうなんて。最後まですることを望んでしまったなんて、こんなの絶対ダメだった。
隣で寝ている槙田くんの顔を見る。
すごく綺麗な顔…。普段から整った顔でかっこいいと思っていたけれど、寝顔まで綺麗で見惚れてしまう。
彼の寝顔を見ていると、行為の最中の色気たっぷりの顔を思い出して胸が熱くなった。
正直、夢かと思ってしまうほど甘い時間だった。だけどお互い何も身につけていないという事実が夢でないと教えてくれている。
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