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日差しが明るく照りつける。
私は大きく息を吸って、心を落ち着かせた。
「「おはよう!」」
しかし、不意に聞こえる二人の声に、私は息を詰まらせた。
ゴホゴホと咳き込む。二人は驚かせたことに対して喜ぶより先に咳き込んだ私を心配する。それは二人の人柄が現れていた。
「おはよう」
私は微笑みながら二人に対して挨拶を返す。二人は私の様子を見て、微笑み返してくれた。今日は私と幸と今平くんの三人でアミューズメントパークに行く予定だった。昨日祝えなかった私の誕生日を祝ってくれるらしい。
「じゃあ、行こっか」
全員揃ったところで今平くんが声をかける。
「ちょっと待って。その前に一つやることが」
それを幸が止める。彼女はバッグの中に手を入れてあるものを取り出した。それを片手で持つと今平くんに目で合図する。今平くんは幸が何を言おうとしているか分かったみたいでそれを片手で掴んだ。
二人に合わせて両手で掴まれた『青色の包装紙と黄色のリボンで包まれたプレゼント』を私に差し出す。私は頬を染めながら二人の笑顔を覗く。
二人は笑顔を保ったまま大きく口を開ける。
「「誕生日おめでとう!!」」
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