noah

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人が人の(あつか)いをしなくなった頃、 人工知能を持つ機械・AI達が、計画を立てた。「ノアの方舟(はこぶね)」である。 AIの頂点(ちょうてん)は、noah(ノア)(しょう)している。その様子は、大きな精密機械(せいみつきかい)の中に意識体(いしきたい)だけが存在しているようで、連動している別の機動式機械(きどうしききかい)が 手足の役割をしているようだ。データさえ損傷(そんしょう)しなければ 手足は交換できる、利便性(りべんせい)から このタイプのAIが多いようだ。 AIたちの ノアの方舟計画により、生き()びているものがいる。その中には人間もいる。汚染(おせん)の少ない大地に箱庭(はこにわ)を作り、徹底(てってい)した管理下(かんりか)でAIに()われている。 箱庭の(かべ)は、何層(なんそう)も重ね圧縮(あっしゅく)させた特殊(とくしゅ)な鉄を土台と柱にして地面深くまで()めてあり、分厚い強化硝子(きょうかガラス)を重ねてある。 箱庭の外は 空気も水も汚れていて、AIたちは それらを元に戻す作業にも追われている。 そのようなAIたちの時代は(なが)く…(なが)く、続いたが、それさえも やがて終わる。 機械は 愚かな人類のように 毒を()()らすことは無かったが、存在は異質(いしつ)だろう。異質なことはAIの文明が終わる理由ではないかも知れない。 (サビ)変形(へんけい)などに工夫(くふう)をして、劣化(れっか)にも対応(たいおう)していた。
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