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全てが愛しい
「このまま、抱いていい?」
そう問いかけた俊輔に首を縦に振った絢斗が、自ら腕を伸ばして首へ回してくる。
その体を抱き上げて足の上に乗せれば、自然と向かい合う形になりどちらからともなく唇を重ねた。
角度を変える度に甘い吐息が溢れていて、つい意地悪したくなってしまう。
だけど、正直そんな余裕がないのも事実で――唇を離して首筋へ移動させると、はむっと唇で挟んだ。
「んっ……」
ぴくりと反らす背中を支えながら首に顔を埋めて唇を這わす。
「はっ、あっ……」
そして、ぷくりと主張し始めている胸の突起に唇をあてると、きゅっと体が縮こまるのを感じて、「ここ、敏感だね」と視線をあげて問いかければ、「だって……」なんて視線を逸らされた。
口の中に含みながら、舌先で乳首を転がしていく――。
「んあっ、んっ……」
身を捻り引こうとする体を逃がさないように抱きしめながら、片方ずつ丁寧に舐めたり、転がしたりする。
そして、左手で背中を支えながら右手を下半身へと伸ばして、緩く勃ちあがっている中心部を包み込んだ。
「あっうっ……はぁっ……」
突然与えられた感覚に、びくんと体を震わせると、俊輔はそのまま上下へと動かした。
首に回されていたはずの腕も、いつの間にか力を失い、前屈みにもたれるような体勢をへ変わっている。
しばらく刺激を与え続けながら上半身にキスを落としていたけれど、ふいに体を伸ばし唇を重ねた。
それと同時に、握っていた手を離し、下へとずらしていく。
傷つけないようにしっかりと爪も切ってきた。誰かを抱く前の日は、必ず爪の手入れをする。たとえ一夜の関係だとしても、抱きたいと思った相手を大切にしたいから。
お尻の割れ目に指を這わせながら、まだ誰にも触れられたことがないであろう窪みへと指を進めていくと、その秘部に触れた瞬間――絢斗の肩が震えた。
「怖い?」
「……怖くないって言ったら、嘘になるけど……香川さんだから、大丈夫……」
「苦しかったら、言って……」
「はい……」
そっと支えていた体をベッドへ倒すと、ベッドの上に置いてあるローションを手に取り、絢斗の蕾へ丁寧に塗り込んでいく。
少しでも痛みが最小限になるように――苦しさが抑えられるように――。
神経がそこだけに集中しないように、何度もキスを繰り返しながら、そっと蕾の中心に中指を当てた。いくらキスで誤魔化そうとしても体は反応するようで、びくんと下半身が浮いたのがわかる。
もう一度キスを落とし、中指の先を少しだけ中へと挿し込む。
「うっ、いっ、つっぅ……」
「苦しい?」
「んっ、でも……だい、じょ、ぶ……」
「けど……」
「いいから、止めないで……」
第一間接までも入りきっていないところで苦しそうに顔を歪めているのを見ていると、指の動きを止めようとして、それを止められた。
そんなに苦しそうにしているのに――なんで――?
だけど、視線を向けた先にある絢斗の表情を見れば、そこにある確かな覚悟がわかるから――。
「わかった……」
真っ直ぐに見つめて答えると、そのまま唇を重ねる。
そして、ゆっくりと指を奥へと進めていく――。
「くっ、ふぅっ、うっ……」
「あと少し……」
「うん……」
第二間接を過ぎた辺りまではいったけれど、それでも初めての場所はなかなかすんなりとは受け入れてくれなくて、何度も何度もスーッと押し戻されていく。
きつい――中指だけでこれだけの締め付けがあるということは、いざ自分のモノとなるともっと苦痛を与えることになるのではないだろうか?
それに君は耐えられる?
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