君を本気で欲しいと思った

全てが愛しい

「入ったよ……」
「ほんと？」
「ああ……。ゆっくり動かすね？」
「はい……」

　ようやく指の付け根まで入り、今度はその指をゆっくりと中で動かしてみる。
　初めは苦しそうにしていたけれど、だんだんと馴染んできたのか中の動きもスムーズになり、漏れる声も変化し始めていた。

「あっ、んっ……」

　苦しくないようにゆっくりと出し入れしながら、少しずつ少しずつ丁寧に解していく――。

「指、増やしてもいい？」
「はい……」

　確認するように問いかけると、迷うことなく絢斗は首を縦に振った。
　中指と、少しだけある隙間から、今度は人差し指を揃えて入れる。

「んあっ……くっ……」
「つらい？」
「だ、い……じょ、ぶ……だから……」

　震える声でそう答える絢斗が堪らなく可愛くて、苦しい思いをさせたくないという思いと、俺だけを全身で感じて欲しいという思いの狭間で葛藤する。
　だけど、そんな気持ちは一瞬でなくなってしまった――。

「か、がわ……さん。俺……もっと香川さんのこと感じたい……」
「香本くん……」
「お願い……痛くても、苦しくてもいいから……。ねっ？」

　涙が溢れだしそうな目で伝えられた言葉に、愛しさが込み上げてくると同時に、本気で君が欲しいと思った。

「もう、止められないよ……？」
「うん……」
「覚悟して……頭のなか、俺でいっぱいにしてあげるから……」

　すっかり二本の指を咥え込んでいるそこに、薬指を差し込んでいく――。

「うっ、はぁっ……あっ、くっ……」

　再び窮屈に絡み付いてくる襞に逆らいながら推し進めていくと、奥ばったところにあるこりっとした場所に指が触れた瞬間――、

「あぁっ……はうっ……」

　今までにないくらいびくんっと体を震わせている。そこを掠めるように触れながら、指を動かして解していく――。

「な、に……そこ……ヤバイ……んだけど……」
「こりっとしてるね」
「んんっ、あっ……あっ、きもちっ……」

　触れる度にびくんと跳ねる体から、そこが性感帯だということがわかる。
　頬を真っ赤に染め、緩くなり始めている口の端から透明の糸がつーっと流れ落ちていた。

「これ、感じるの？」
「うん……そこ、ヤバイ……。めちゃ、きもちっ、んだけど……」

　透明のとろりとした液体が先端からたっぷりと溢れだし、後の蕾からも指を絡めるようにくちゅりと音を立てていた。
　先端の液をちゅるっと吸い上げれば、ひくついたように体がしなる。
　そして、中に入っていた三本の指をゆっくりと抜けば、そこは閉じきることはなくピクピクと開いたり閉じたりを繰り返している。
　指には、透明の液と血の混ざりあったどろっとしたものが絡み付いていて、俊輔はそれを迷うことなく口元へ移動させると、ぺろりと舐め取った。

「かが、わさん……」

　指が抜かれたことで今までそこにあった確かなものがないことへの喪失感からか、ねだるような視線を向けてくる絢斗に、俊輔は体勢を変えた。