綺麗な姿のまま……

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綺麗な姿のまま……

 お互いベッドの上にタオルを巻いたまま上半身だけを向き合わせ、その両肩に俊輔は自分の手を優しく乗せて引き寄せると、触れるだけのキスをする。  唇を離し少しだけ顔を動かして絢斗の顔を覗き込めば、恥ずかしそうにこちらを見ている君と視線がかち合って、思わずくすりと笑っていた。 「なんで、笑うの……?」 「だって、可愛いから……」 「さっきから、そればっかり……」 「本当のことだし」 「可愛いより、カッコいいって言われたいんだけどな」 「じゃあ、すごく綺麗……は?」  男だからカッコいいと言われたい――。その気持ちは少なからず誰の心にもあるわけだけれど、可愛いや綺麗、美人という単語が当てはまる人間も確かに存在するわけで、絢斗は間違いなく綺麗や美人という部類に入る顔立ちだ。 「きっと、香川さんには俺がかっこよく映ることはないってことですよね?」 「初めて香本くんを見つけた時から、俺の目には美しいだったからね」 「それなら、もう……それでいい、です」  唇の先をほんの少しだけ尖らせている姿がまた可愛くて、自然と腕を伸ばし頭をぽんぽんしながら、「可愛い」と言ってしまう。  観念したようにされるがまま頭を撫でられている絢斗を、目尻を下げながら見つめると、恥ずかしそうに視線を逸らされる。  でも、そんなことの繰り返しじゃ、いつまで経っても先に進めないわけで――撫でていた腕を移動させ、髪に指を絡ませながら、頬や耳にも触れる。  指先で絢斗の肌の感触を確かめながら、そっと掠めるように、でもちゃんと触れていることを感じてもらえるように――。
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