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「あの……」
「ん?」
「キス……したいです」
高揚した面持ちで小さく告げられた言葉に、「同じだね」と柔らかく微笑んでみせると、どちらかともなく顔を近づけて唇を重ねた。
もう止まらない――。
今までの優しいキスからだんだん深くなっていき、舌を差し込めば絡み付いてくる。何度も角度を変えながら夢中で口内を犯していく――。
「んっ、ふぅっ……はぁっ……ちゅっ」
息が儘ならなくなったことを知らせるように、絢斗から甘い吐息が漏れ始めていた。
唇を解放すると、そのまま首筋へ顔を埋めキスを落とす。くすぐったいのか、それとも感じたのか、びくんと肩が震えたのを感じる。それでも、もう止めることはしない――。
座っていた身体をベッドへ倒し、首筋から鎖骨、胸元へと唇を移動させていき、少し主張し始めている胸の突起に口づけると、「あっ……」と可愛い声が耳をくすぐった。
「くすぐったい? それとも……きもちいい?」
意地悪な質問を下から見上げるように問うと、恥ずかしさからかふいっと顔を逸らされてしまう。でもすぐに視線を向き直して「両方……」と正直な気持ちを伝えてくれた。
口を開き、そこを口の中へ含み、ちゅっと音を立てて吸ってみれば、「んっ、あっ……」と漏れた声に彼の感度がいいということがわかる。今度は舌でそれを転がせば、また甘い吐息が漏れて体に自然と力が入っているのを感じた。
お互いの下半身に巻いたままとなっているバスタオルを器用にはぎ取り、胸を攻めながら緩く勃ち始めている中心へと手を伸ばし包み込むと、開かれていた足が一瞬で閉じてしまい、俊輔は自分の体を一度起こすと、絢斗の体ごと持ち上げた。
「えっ、あっ、か、がわさん……」
まさか軽く持ち上げられると思ってもいなかった彼が、驚いたように目を大きくして俊輔を見つめているけれど、今はもうそんなことどうでもいい。
――俺は、いますぐにでも君を抱きたい――
そう思っていた。
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