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重ねられた唇は、ついさっきまでの激しい口づけで濡れている。
助走もなく口腔を貪るような濃厚すぎる口づけに、見る見る息が上がる。相変わらず心臓は破裂しそうなほど脈打っているが、やめたいとは思えない。
彼の目に初めて〝ひとりの女性〟として映っている。それがたまらなくうれしくて、彼のシャツを握りしめながら必死について行く。
頭の芯が痺れたようになった頃、やっと口が解放された。酸素を求めて大きく息を吸い込む。
「んっ」
ブラウスの裾から侵入してきた手が腰をなぞった。ビクンと体を跳ねさせたら、背中に回った手がブラのフックを外した。
「……っ!」
一瞬で緩んだ胸の締め付けに目を見開いたとき、下着ごとブラウスを頭から引き抜かれた。
「きゃあっ」
慌てて腕で隠そうとしたが、彼の方が早かった。両手首を大きな手でひとまとめにされ、ソファーの上に押しつけられる。うっすらと目を細めた彼に、あらわになった双丘を見下ろされ、全身がカッと燃えるように熱くなった。
「きれいだ」
潤んだまぶたをぎゅっとつむり顔を横に向けると、耳のすぐ横で低くささやかれる。背筋がぞくんと痺れて首をすくませた瞬間、耳朶をパクリと口に含まれた。
「ひぁっ」
弾力を愉しむように唇で食みながら舌で転がされる。逃れようと頭を振ったが、余裕たっぷりに追いかけくる。耳輪の縁をなぞりながら、耳の中まで入ってきた。
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