ハシブトガラス

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ハシブトガラス

 どこにでもいるカラスが、実は日本国民一人一人を24時間体制で監視しているA国のであることに気づいている日本人は、何人いるだろう。  恐らく国民の99%は、そのことに気づいていない。  日本でよく見かけるハシブトガラスの形状を持つ影武者の目は、高性能カメラ機能を有する。その目に映る映像は24時間、A 国の極秘情報収集機関の超大容量記憶システムに全て記録されている。  また影武者の耳は、一般的な防音装置を持つ分厚いビルの壁を5重に隔てていてさえ、囁くような会話まで鮮明に録音可能な高性能マイク機能を持ち、カメラ映像と同様に記録されている。  そもそもA国が、日本人を監視・記録する目的は、大きく分けて2つある。  第一の目的は、危険思想・危険人物や危険組織の存在を早期発見し、早期に撲滅するため。  第二の目的は、優れた研究や発見をスパイし、状況に応じ、自国に有利な方向に活用し、或いは妨害・阻止するためである。  では仮に危険人物と判断された当事者は、どうなるのか。  当事者を発見した影武者から(ただ)ちに、当事者の脳波を抑制又は支配する超音波・電磁波等が照射される。  超音波や電磁波の種類や組み合わせは無数にあり、時と場合により目的に見合った波動が照射される。  超音波や電磁波による脳の支配やコントロールは、目に見えず、痛みも苦しみもなく、本人はもちろん誰にも気づかれないまま秘密裡に行われている。  それらの波動は、一度に大きな刺激を与えず大きな変化を加えないよう、その強さは非常に微弱に制御されている。  しかしながら、同じ微弱な波動を繰り返し照射されることで、当事者の性質や性癖、性格、体質に至るまで、徐々に変化がもたらされる。  
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