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side関 悠二
「すぐ帰る」
電話越しの低い声が耳をくすぐる。
俺はしっかり課長の家で準備を整えてベッドに潜り込んでいた。
準備とはもちろん…あっちの準備だ。
ガチャっと鍵が開く音がする。
「関ぃ…あれ?おーい」
宝井課長はリビングで俺を探しているようだ。
ソワソワしたような声が俺をドキドキさせる。
「おーい…関?トイレかぁ?」
キッチンやトイレを覗いて、最後に寝室の扉を開いた課長。
「せっ…おっ…まえ」
シーツを引き寄せベッドに座っている俺は、課長の驚いた顔をじっくり眺めた。
爪先をシーツの向こう側に出して指先をクイクイと曲げて手招きの変わりをした。
「ハッ…マジかよ」
宝井課長はジャケットを脱ぎながら呟く。それをバサッと床に落とし、片膝をベッドに乗せて這い上がってくるように俺に覆い被さった。
「ちゃんと出ろよ」と会社で告げた時の、熱く濡れたような瞳が、俺の手首をベッドに縫いつけながら見下ろしてくる。
「上着、脱ぎ捨てるところからもうエロいっすね」
「お褒めに預かり光栄だな」
「ネクタイ…解いて良いですか」
「シャワー浴びてくるから待ってろよ」
「ヤダ」
課長は困った顔をする。掴まれていた手首が解放されたから、俺は彼のネクタイに手をかけた。
シュルッと衣擦れの音がして、首からネクタイを引き抜く。
ワイシャツのボタンに手をかけ、三つ程開けたあたりで首に腕を回し、課長を引き寄せた。
「シャワーなんて良いから…してください」
耳元でそう囁くと、薄いブラウンの瞳が俺をジッと見つめて、首筋に噛み付いた。
「ぅゔっぐっ…」
呻いても噛みつかれた力加減は容赦なく続く。
「はっ…ぅ…ぁあっ!…やっだぁ…くっ…」
「おまえは俺のだろ?」
「ぅゔっ…」
「泣いてんのかよ」
この人の愛情表現が堪らなく好きだ。
「痛かったか」
キツく噛んだ首筋に熱い舌が這う。ゾクゾクと、身体中に電流が走り、身を捩ってしまう。
「ぅ…んぅっ…はっ…」
「裸で準備して待ってるなんてエロ過ぎんだよ」
耳に舌が入ってくる。
「課長っ…」
「おまえが心配するような事なんてなんもねぇかんな」
鎖骨辺りにキスマークがつけられる。
そのまま胸の尖りにねっとり熱い舌が絡みついた。
「はぁっ…ンッ…」
舌先が容赦なく愛撫を続ける。
片方は指先で先端をこねられ、もう片方は唾液の音を鳴らしながら舌先が立ち上がる尖りを弄ぶ。
俺の下半身の熱からは、タラタラと汁が垂れて、課長の綺麗に割れた腹筋に先端が当たってしまう。
課長はわざと身体を揺らしながら腹を擦り付けてくる。
「もうガチガチじゃんか…胸だけでイキそう?関、キスは?こっち向いて…舌出せ」
ハァハァと息が浅くなり、目が潤む。俺は課長の頰を両手で包み、何度も何度も深いキスをした。
「ぅ…んぅっ…ぁ…ハァッ…課長…す…好き…好きっ…」
彼の舌に、唇に溶かされるような甘い感覚。
「関…」
課長が俺の膝裏に手を入れる。
グイと左右に開かれた足。
「課長…もう…いいから…」
「自分で解したのか?」
視線を逸らして小さく頷いた。
反応が無いもんだから、恐る恐る課長を見上げるとびっくりした顔から愛おしそうに目を細めた。そして俺をゆっくり抱きしめて、耳元で細く息を吐いた。
「おまえさぁ…あんまり詰め込んで可愛い事すんなよ。身がもたねぇ」
「だって…俺なんて…元々…可愛いくなんか」
「可愛いよ…俺はおまえが可愛い」
課長が何度もキスをする。
付き合ってから分かった事は、この人はキスが好きだという事。
そして…俺が思っているよりも…もしかしたら俺が好きなのかもしれないという事だ。
「足…自分で抱えて…もっと持ち上げないと…いらないのか?」
後ろに課長の熱が押し付けられる。
俺は言われるがままに足を抱え、ゆっくり持ち上げる。何とも恥ずかしい格好なのに、ビクビクと熱は張り詰めるし、後ろはヒクヒクと課長の熱を飲み込もうとしている。
「はやっく…」
「おねだりが上手になったな」
「ぁっ…課長っ!」
課長がぐっと前傾になり、額をすり寄せてくる。
「…入った…すげぇ…中、熱い」
「はぁっ…ダッ…ダメ…」
「?」
「イッイクっ!!」
ビクンと身体が震えて、課長の腹に俺の果てた白濁が飛び散った。
信じられないっ!挿れただけだぞっ!!マジかよっ!ヤバいっ!身体がまだゾクゾクするっ!
息が上がる俺を上から見下ろす課長は、髪を掻き上げながら呟いた。
「こんな煽り方して…いいか?へばんなよ」
「やっ…かっ!課長っ!待ってっ!ちょっ!ぁあっ!あっ!ハァッ!」
グイと押し上げられた足はガクガクと揺れる。
課長の腰の動きが激しくなり、意識がグラグラする。身体の奥が熱すぎて、痙攣して、何度もイカされながら、喘いでしまう。
肌を打つ音やローションの卑猥な響きが止まらない。
「…ぅっ…ん…か、ちょう?」
重い瞼を開いたら、課長が隣でタバコを吸っていた。
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