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6 side 宝井 守 ローベッドの上で胡座をかいてタバコを吸う。 暗めの照明の中、隣で猫のように丸まって眠っている恋人の姿を見下ろし、汗で張り付いた前髪を撫でてみる。 「…ぅっ…ん…か、ちょう?」 「おはよう」 「おはようって…今、何時っすか?」 関は目をこすりながら時計を探す。 「夜中の一時…ちょい過ぎたな。途中で意識飛んでたろ…そんなに良かった?」 顔を近づけると、真っ赤になった関は俺の手からタバコを奪い取った。 「あっ…たく…手癖の悪い奴だなぁ」 「課長のしか奪りません」 「そうしてくれないと困るな」 関の頭を引き寄せ、膝枕する。 上から見下ろす関は、美少年という形容に相応しく、俺のような中年を相手にするには勿体無い。 この一年、何度か手放そうと考えたりもしたが、自分のあまりの独占欲の強さに諦めた。 諦めたというより開き直ったと言えば正しいか。 フッと微笑んで関を見下ろすと、彼はタバコを灰皿に捻じ込み、俺の頰を撫でた。 「キスしてください」 俺は素直な関に目を瞬かせる。 「言う事…聞いて下さいよ。罰ですから」 俺の唇を指先で撫でながらそう呟く関。 「罰?」 呟いてから、その白い指を噛んでやる。 「女と食事に行った罰です。…早く、キスしてください」 「…仰せのままに」 クスッと笑って身体を丸める。膝枕した関の鼻筋を人差し指で撫で、口づけた。 「あぁ…そうだ、おまえに先言っとくわ。明日の外回り、俺と沢田とおまえで回るからな」 腕枕しながらぼんやり天井を見上げていたら、飛び起きた関の顔がアップになった。 「はぁっ?!絶対嫌っスよっ!何でっ」 「まぁそう怒るなって。明日はいつも沢田についてる梶(カジ)が有給休暇で休みだ。よってあいつの面倒を一日見なきゃなんないの。俺一人でも良かったけど…おまえ、嫌だろ?」 関はガクッと俯いた。シーツをギューッと引き寄せ小さなため息を吐く。 俺はソッと手を伸ばして頰を撫でた。 「おまえはほんっとに…可愛いよ」
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